牛乳キャップの違いと資料的価値

牛乳キャップ

○です。

久々の投稿です。これからもマイペースに続ける予定です。今後ともよろしくお願いします。

さて、前置きはここまでにして。

今回は牛乳キャップの様々な違いと、資料的価値を過去と現在のキャップを見比べながら伝えていこうかと思います。

モノは日々進化していきます。

ユーザーに喜ばれるために。長く愛されるために。忘れられないために。

それは、牛乳キャップも然りです。

牛乳という製品の歴史を物語る資料、そして牛乳の顔としてのデザイン。

牛乳の進化と平行して、牛乳キャップも多くの人に長く愛されるために進化しています。

その進化の過程を見落とさないため、そして忘れないためにも深く観察して見ましょう。

前置きの最後に。

ぼくは大前提として、牛乳キャップに資料的価値を見出しています。

資料的価値とは、どのような意味なのかということも頭においてこの記事を読んでみてください。

表記の違い①

今回は、ぼく自身が収集した牛乳キャップを見比べて考察していこうと思います。

こちらが収集した牛乳キャップです。

蒜山酪農カフェ・オ・レ

蒜山酪農カフェ・オ・レの2013年キャップ(左)と2020年キャップ(右)です。

ここから、どこが進化したでしょうか。

答えは、無脂乳固形分の値です。

よーくみてみると、2013年から2020年にかけて、1.6%減少しているのです。

無脂乳固形分とは、水分と乳脂肪分以外の成分のことを指します。いわゆるタンパク質やビタミンなどがこれに該当します。

じゃあこの無脂乳固形分は味にどのような違いをもたらすのかというと、甘みです。

無脂乳固形分を増やすことで、より牛乳らしさが引き立つのだとか。

ちなみに牛乳には、無脂乳固形分が8%以上入っていることが規定されています。しかし、この蒜山酪農カフェ・オ・レは乳飲料のため、8%以上という決まりはありません。

話がそれてしまいましたが、この場合だと無脂乳固形分が減ったということになります。

無脂乳固形分は風味に影響を与えます。となると、蒜山酪農カフェ・オ・レは牛乳の風味が若干減り、コーヒー風味が増えた、ということになります。

時代が経つにつれて、大人の味になっていったんですね。

自分も牛乳も大人になっていく。

この蒜山酪農カフェ・オ・レは、人の味覚の成長に合わせて改良されたってことも考えられると思いませんか?

表記の違い②

ぼくの収集した牛乳キャップのコレクションのなかに、もう一つ表記が変わったキャップがあったので紹介していきたいと思います。

くずまき高原牛乳/くずまき高原コーヒー

くずまき高原牛乳(上段:左・旧 右・新)と、くずまき高原コーヒー(下段:左・旧 右・新)の2種類です。

一方は2020年に入手したものなのですが、片方は入手時期が不明です。

これじゃ変遷がわからないじゃん!となるのですが、参考までにぼくが収集を始めたのが2004年頃なので、2004年以降〜現在に到るまでの変遷としてざっくり見ていただけると幸いです。

まずはくずまき高原牛乳から見ていきましょう。

もはや間違い探しみたいになってきました。

消費期限から賞味期限に記載が変更、電話番号の削除、そして生乳100%の横に(国産)の文字が追加されています。

消費期限は、その日までに早く消費しなければならない期日であり、一方で賞味期限は、美味しく消費できる期日ですね。

特に成分には変更がないのに、なぜ消費期限から賞味期限へ変更したのでしょう。

答えは技術力の進歩だと考えています。

くずまき高原牛乳は、岩手県乳質改善大賞を2年連続で受賞しています。

(参考URL: http://kuzumaki.jp/?p=8260)

このような製法の進化が発達した経緯により、より長持ちさせることに成功し、消費期限から賞味期限に表記を変更したのだと思われます。

現在は75度15分間殺菌、ノンホモジナイズド製法にて製造されているようです。殺菌方法はどちらのキャップにも同じ記載がされていたので、ノンホモジナイズド製法の進化か、あるいはそれ以外の技術の進歩があったことがわかります。

電話番号の削除は、表記情報の整理の一環でしょうか。

表示社名の記載は、住所あるいは電話番号、あるいは両方という決まりです。

なので住所のみでも何ら問題は無いのです。

最後に国産という文字。これは、2018年11月に改定された原料原産地表示制度において記載が規定されたための追加です。

これにより、牛乳も国産の文字を表記しなければならない義務ができたのです。

なお、この規定は現在経過措置期間であり2022年までの表記が求められています。国産表記の無い牛乳キャップは、後々に歴史的資料価値を得るかもしれません。

コレクター的にも、レアキャップになるかも?

さて、次にくずまき高原コーヒーの違い。

このキャップには、相違点がたくさんあります。

・公正マークの追加

・国産の表記追加

・消費期限→賞味期限

・電話番号の削除

・コーヒー抽出液→粉末コーヒー

・乳脂肪分 2.0→1.5%

…こんなにありました。

ただ、この中でも消費期限から賞味期限への変更、電話番号の削除は先ほどのくずまき高原牛乳と同じ理由だと思われます。

公正マークは、飲用乳の表示に関する公正競争規約により、正しい表示がされている製品を対象につけられます。いわゆる安心のマーク。

認定審査が受かったということです。安心の証明の進歩もわかります。

次にコーヒー成分の変更。抽出液から粉末に変更されています。

抽出液であることと、粉末であることの違いについて定かな情報は得られなかったのですが、粉末に変更されたのは、殺菌処理後にコーヒー成分を追加できるというメリットがあるからでは無いか?とぼくは考察します。

コーヒー味の牛乳を製造する際、抽出液は殺菌処理の前に入れるそうです。そこで抽出液は、乳成分の凝固や沈殿を防ぐためにpHの調整をするようです。しかし、その影響でコーヒーの香り成分は失われてしまうようです。

一方、粉末はミルメーク然り飲める状態の牛乳に溶かすことができます。殺菌処理後に混ぜることで、香り成分を維持しつつコーヒー風味を出せるのでは無いでしょうか。

あくまでも推察なので確かでは無いですが、このような考察で落ち着きたいと思います。

最後に乳脂肪分の変更。

乳脂肪分は、牛乳のコクを増します。

少量ですが減らしたことにより、コーヒーの風味を高めているのです。

このように、見た目はそこまで差異は無いように見えても、違いはよく見るとたくさんあるんです。進歩のあかし。

デザインの違い

デザインが大幅に変更されたものもあります。

それがこちらです。

左上:秩父牛乳 左下:秩父コーヒー 右上:彩の国牛乳 右下:彩の国コーヒー

この秩父牛乳と秩父コーヒーは、彩の国牛乳と彩の国コーヒーに名称を変え、デザインが変更されました。

成分は両者同じです。が、秩父コーヒーのキャップの会社に注目。

(有)戸田乳業・販売者・秩父乳業(株)

の記載があります。

どうやら秩父牛乳は、製造委託を完全に戸田牛乳に切り替えて、のちに彩の国牛乳としてキャップを統一したのだそう。(情報元:漂流乳業より

こんな歴史を考察するきっかけにも、牛乳キャップはなり得るのです。

変わらないデザイン

変わるデザインや表記がある一方、変わらないデザインだってあります。

塚田牛乳

これは、2000年初期と2020年入手の塚田牛乳の牛乳キャップです。

これまでのキャップとは違い、全く表記の違いが無いことがわかります。

それはつまり、ずっと変わらない美味しさで、ずっと安心であるということ。

いつもありがとうって感じてしまうような気持ちを思い出させてくれます。

進化を証明する牛乳キャップですが、ずっといいものとしての証明をすることだって牛乳キャップはできるのです。

資料的価値を持つ牛乳キャップ

たくさん牛乳キャップの違いを伝えていたら、結構長めな文になってしまいました。

このように牛乳キャップには、歴史や技術の進歩のあかしの記載があるんです。

牛乳の情報なんて、牛乳パックの側面や公式サイトに書いてあるよって声もあると思いますが、あの小さな円の中に、膨大な情報や資料を持っていると思うと、牛乳キャップってすごいって思いませんか?

牛乳キャップだけでなく、いろんなコレクションにも資料的価値はあると思います。

その価値を見いだすことができるのは、コレクター次第です。

みなさんも、自分の集めているものを今一度よーく、じっくりと観察してみてください。いろんな発見があるはずですよ。

○でした。ここまでご覧になってくれた方、本当にありがとうございました!

参考サイト

日本食品工学会誌:アロマプロテクト®︎製法の開発

くずまき高原牧場

漂流乳業

一般社団法人日本乳業協会:無脂乳固形分

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